強酸性!死の川の中和工場を見学!
ANA機体工場見学につづき、強酸性の川を中和する工場を見学しました。
草津の湯で有名な、群馬県の草津町にある、国土交通省の施設「品木ダム水質管理所」を見学しました。
この施設は、草津温泉を源として流れ下る、酸性の強い川を中和する施設として、昭和39年に建設された工場です。
酸性の川の中和に使うのは、石灰です。
石灰を引き込んだ川の水に溶かして、石灰水をつくり、その水溶液を川に注入して中和する仕組みになっています。
石灰を貯蔵しておくタンクは、全部で3つあります。一つのタンクに約400t (トン)の石灰が入るので、全部で約1200t の石灰が常備されており、一日に使う石灰の量(約50t ~60t )から計算すると、およそ一ヶ月分の石灰が貯蔵されていることになります。
施設内部に入り、石灰注入機の近くを見ると、なぜか、木づちが置いてありました。
その木づちは、なにに使うのか聞いてみると ・ ・ ・
石灰が固まって、詰まるのを防ぐために、係員が3時間おきに点検にやってきては、配管を木づちで叩いて、固まらないようにしているそうです。
そんな、昭和のちょーアナログ方式に、思わず笑いがこぼれてしまいました。
このようにして作られた石灰水溶液を、草津温泉が流れ込む、この近辺でもっとも酸性度の高い「湯川」に注入しています。
川への注入の方法も、これまた、ちょーアナログ式
ただ、川に流しているだけでした。
湯川の水をくんでpH(ペーハー)を計測してみると、なんと、検査用紙中央の示す色は、pH2を示すオレンジ色に。
このpH2という数値は、かなりの強酸性といえます。
これに、川に注入している石灰水を混ぜて、再度計測してみると、pHは5~6を示す黄緑色になり、ほぼ中性となったことがわかります。
これは、手のひらサイズの石灰石にペンキを使って絵や言葉を描き、それを3日ほど、強酸性の草津の湯に漬けておくと、ペイントされてない部分が、強酸性の草津の湯で溶かされて、へこみ、ペイントした部分が浮き出た作品が出来上がるというものです。
作品は、数週間後くらいに、溶けて凹んだ部分に手を加え、きちんと処理したあと、作品を届けてくれるそうです。
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へぇ~、そういう工場があるんですか
「百年石制作体験」なんていうのもさせてもらえるんですね。
その表札、ウチでも使えるな~
投稿: レオ母 | 2011年10月14日 (金) 03:11
中和工場の存在、地元の人しか知らないですよね。
八ッ場ダムが大きく取り上げられていますが、この中和工場は、八ッ場ダム建設のための準備なんだそうですね。
それを聞くと、本当に八ッ場ダム建設計画の歴史はかなりかなり昔に遡るのですね。
我が家も、百年石作りました。
改めて、草津温泉の強酸性を思い知らされました。
投稿: Kuro | 2011年10月14日 (金) 04:49
この工場ができるまではこの辺りの川は
魚の住まない川で橋も橋脚のない吊り橋だったと
小さい頃に親父や祖父から聞かされました。
投稿: kenmorehills | 2011年10月14日 (金) 06:07
レオ母さん、こんばんは。
この工場がなかったら、下流の河川にかかる橋の橋脚とかも、溶けちゃうらしいです。
それにしても、固まらないように、木づちで叩いて・・・って、なかなかいいでしょう。
表札は、レオ家なら、兼用できますね。
投稿: leoパパ | 2011年10月14日 (金) 23:30
kuroさん、こんばんは。
この工場も、八ッ場ダムと、セットのはずだったんですね。
よく話を聞いてみると、ここの湯川以外にも、万座から流れてくる川なども、実は、けっこう酸性らしいですね。
それで、今だに、八ッ場ダムは腐食の心配が・・・と、唱える人たちもいるらしいです。
投稿: leoパパ | 2011年10月14日 (金) 23:33
kenmorehillsさん、こんばんは。
確かに、生き物の住めない死の川ですよね。
pH2だなんて、ビックリしました。
これなら、石も釘も、溶けちゃいますよね。
投稿: leoパパ | 2011年10月14日 (金) 23:34